巡れ!渋い石川町
鈴木重謙
屋敷跡
石川町の名主鈴木さん家
鈴木家は、江戸時代に石川組16ヶ村の大庄屋を務め、武士身分に相当する郷士に取り立てられました。表門は郷士の特権として建立されたものと推定できます。また、明治前期には自由民権運動で活躍した鈴木荘衛門・重謙親子の居宅であり、ここでは演説会などが開かれていました。主屋の間取りや機能から考えると、当時の農民住居のうちでも、村役人層のものと見ることができ、本町では残り少ない農家住宅として貴重なものです。門は、表道路に面して屋敷境よりやや後退して建っており、いわゆる薬医門で、民家屋敷の門としては相当に異例で、かつ入念な造りになっています。建築年代は、文化4年(1807)、棟梁は栃木県芳賀郡市貝町出身の宮大工、町井六左衛門です。開放日には、中を見学することができます。